福本早穂の教育心理カウンセリングオフィス、子どもと家庭の相談室こころのそえぎ 京都市山科

こころのそえぎ

子どもと家庭の相談室へようこそ

家族療法の講座から

今日は、「非行・犯罪と家族」

18年間家裁の調査官として多くの臨床経験を積んでこられただけあって、

説得力があった。

子どものいろんな問題行動をどう理解し、対応すればよいのか。

今まで、本や講演、日々の相談などで得てきたイメージが

理論的、実践的に明確になり、うれしかった。

「情緒的自立」について、以前書いたことがあったけど、

情緒ってなに?

といわれると返答に困る感じがあった。

今日は、わかりやすく説明していただいた。

人の感情は、「喜・怒・哀・楽」で表現されるが、

この4つの感情がそれぞれ色で表されるとしたら、

例えば、「喜と哀」が混じった微妙な色合いが情緒といわれる。

現代の子どもは、プラスの感情=「喜」「楽」は周囲の大人に受け入れられやすいが、

マイナスの感情である「怒り」や「哀しみ」はあまり受け入れられた経験がない。

自分の弱さや、しんどさを出せなくさせられてしまっている。

たとえば、怒りの感情に蓋をして、見ないようにしていると、

いつか蓋を外して、一気に表出してしまう。

それが、「キレル」状態。

少しずつ、小出しにして聴いてもらう経験をして

「怒り」の対処の仕方を

自分なりに身に着けていかなければならない。

私の子育てしての実感だけど、

車が増え、田畑が埋められ、山が崩され、

都市化が進んだ環境では、

大人の目を離れて、子ども同士だけで遊んだり、けんかしたり

できなくなってしまった。

母親の過干渉、過保護を槍玉に上げる前に、

子どもたちがのびのびと遊べる里山を返してあげてほしい。

過剰な受験競争に駆り立てるのをやめて、

子ども達が本当にしあわせになるための教育システムを構築してほしい。

また、講座に戻ります。

いじめの問題もシステム論からみると、

子ども集団(サブシステム)が社会からの加害(攻撃)にさらされていることの反応。

とみることができる。

そうすると、

1、自分を攻撃するものを攻撃する。(攻撃の外在化)→非行など

2、うつ的になる。(攻撃の内在化)  →不登校、若年層のうつ化現象

3、子供同士で傷つけあいをする。(集団の自傷行為)→いじめ

個人の自傷行為であるリストカットを例にとれば、

内的世界に、「切る者(加害者)」と「切られる者(被害者)」の二者が住んでいる。

リストカットする人に「何で、切るの?」と非難すると、

「切る者(加害者)」を批判し、亡き者にしてしまう作用が働く。

そうすると、加害者は存在を取り戻そうとして、肥大化する。

肥大化した加害者は、もっとひどいリストカットをするようになる。

それと同じメカニズムで、

子どもサブシステムの中でいじめる者(加害者)といじめられる者(被害者)がいるとき、

いじめる者を批判し、排除しようとすると、

肥大化し、いじめはもっと陰湿化し、ひどくなることが予想される。

いじめの解決方法として、「ピア・カウンセリング」がある。

「加害者と被害者」の関係から、同じ悩みを抱えた仲間集団としてつながる。

2人ずつペアになり、話し手と聞き手になり、1日3分間ずつしっかり話し、一生懸命聴く。

役割交代して、毎日つづける。

それだけで、子ども達はつながっていく。

最後に、子どもの問題行動にかかわるとき、

成否の鍵は、

子どもたちの純真さ、潔白さ、無垢さを

大人がどれだけ信じてうけとめることができるか

にかかっている。

犯罪を犯した少年に対して、

自分の価値観、善悪の基準をひとまず脇へおいておいて、

その子どもを否定せずに丸ごと受け止める大人が「ひとり」いればいい。

犯罪行為にこめられた意味、気持ち、感情を受け止められる経験をして、

今までずっと傷つけられどおしだった「自尊心」が癒される。

その「ひとり」に出会えるかどうかが、

その子が社会に適応していけるようになるか、

そのまま、悪の世界へ行ってしまうかのターニングポイント。

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