福本早穂の教育心理カウンセリングオフィス、子どもと家庭の相談室こころのそえぎ 京都市山科

こころのそえぎ

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絵本の絵

2007年

第19回「あかいりんご」作・絵なかの ひろたか /福音館書店発行

あかいりんご (福音館のペーパーバック絵本)

著者/訳者:なかの ひろたか

出版社:福音館書店( 1971-04 )

定価:

単行本 ( 47 ページ )

ISBN-10 : 4834005712

ISBN-13 : 9784834005714


木々が色づき始め、りんごのおいしい季節になりました。
秋のよさをしみじみ感じます。

この絵本は、軽いタッチの絵と文に似合わず、実は深い意味があって、何度読んでもおもしろい。

まっかに熟したおいしそうなりんごが、なぜか森のなかにひとつぽつんと落ちている。
(落ちているというより、だれかを待っていて、そこに置かれているようだ。)

そこへ、すずめがやってきてりんごを見つけ、喜んでたべようとすると・・・。
うさぎが駆けてきた。(すずめはびっくり。)
うさぎは、喜んで「あかいりんごだいすき!」ととびついたとたん、すずめはぱっと飛び上がった。
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第18回「おかあさんの目」あまん きみこ・作/くろい けん・絵 あかね書房・発行  

おかあさんの目 (あかね創作えほん)

著者/訳者:あまん きみこ

出版社:あかね書房( 1988-06-01 )

定価:

Amazon価格:¥ 1,404

単行本 ( 1 ページ )

ISBN-10 : 4251030273

ISBN-13 : 9784251030276


いたいけな幼児の頃、だれでも経験したことがあるにちがいない。
安心しきって、しげしげとだれかの顔を穴のあくほど見つめたりしていたこと。
そのだれかが、恥ずかしくなるくらい瞬きもせず、
見開いた目に吸い込まれるかと思うほど、熱心に見つめていたことが。
初めて見るものがふしぎで、こころ惹かれて仕方がないのだろう。

でも、大人には珍しくもないあたりまえの風景だったりする。
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第17回グリム童話「七わのからす」フェリクス・ホフマン 絵/せた えいじ 訳/福音館書店 発行

七わのからす—グリム童話 (世界傑作絵本シリーズ—スイスの絵本)

著者/訳者:グリム

出版社:福音館書店( 1971-04-20 )

定価:

大型本 ( 32 ページ )

ISBN-10 : 4834012034

ISBN-13 : 9784834012033


表紙は、黒いからすたちが同じ方向に向かって飛んでいくところ。最後尾のからすの半身は、まだズボンを穿いた人間の男の子だ。それは、全身がからすになる前というより、からすの姿に飲み込まれてしまう寸前のような不気味さがある。

ドイツの田舎の家庭だろうか?
ランプの下、白いテーブルクロスをかけた長いテーブルに15,6歳くらいを頭にやっとひとりで食事ができるようになった2歳くらいの男の子まで、7人の男の子たちがテーブルについて、ご馳走がくるのを待っている。
食事を運んできたお母さんは、おなかが膨らんでいるみたい。
お父さんもお母さんも、この7人の男の子達のおなかを満たすために、毎日きりもなく働いているんだろうな。そのうえ、また子どもが生まれたら家中がたいへんな喧騒だろう。
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第16回「かみのけちょっきん」 松竹いね子・作/織茂恭子・絵  福音館書店・発行

かみのけちょっきん(こどものとも絵本)

著者/訳者:松竹 いね子

出版社:福音館書店( 2005-11-10 )

定価:

Amazon価格:¥ 12,644

単行本 ( 32 ページ )

ISBN-10 : 4834021505

ISBN-13 : 9784834021509


色紙を切り刻んで、好きなように貼り付けたような絵。
適当に散らばせて貼ってるみたいだけど、きっとすごくデッサンの上手な人なんだろうな。
織茂恭子さんの絵は、ほかの絵本で多彩な色使いに感心したことがあった。

空は、むくむくあおあおしていて、みどりの葉っぱたちは、つんつん元気よく思い思いのほうへ伸びている、ある晴れた日。
頼もしくて子煩悩なおとうさんと小さい女の子とおにいちゃんが、一緒に遊んでいると、
「お天気がいいからみんなおいで。かみのけちょっきんしましょ。」とおかあさんが、椅子とはさみと大きな白い布を用意して外へやってきた。

「いちばんはだあれ?みきちゃんかな?」
みきちゃんは、髪を切られるのがよほど嫌いとみえて、そそくさと押入れに逃げてしまった。(押入れの中のほうがこわいと思うけどな・・・)
一番目は、お父さん。まっくらな押入れの中からみきちゃんがそっとうかがっている向こうで、お父さんは何かを観念した人みたいに、白い大きな布の中にすっぽりと大きな体を納めて、目をつぶっている。
「じょきじょき しゃきしゃき ちょきちょき ちょっきん」
切り紙で表記したはさみの音が、力強く響いてくる
お母さんのかいがいしい器用な手つき。
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第15回「フレデリック〜ちょっと かわった のねずみの はなし」レオ=レオニ 作 谷川俊太郎 訳 好学社

フレデリック—ちょっとかわったのねずみのはなし

著者/訳者:レオ・レオニ

出版社:好学社( 1969-04-01 )

定価:

Amazon価格:¥ 1,529

大型本 ( 32 ページ )

ISBN-10 : 4769020023

ISBN-13 : 9784769020028


表紙にちょっとはにかんで、少し気取ったねずみが、花を一輪高く掲げている。花は、詩人であることの象徴のようだ。「これが、ぼくの在り方です。」と。
飢えた子どもの前に、文学は何をなしえるのか?花は、貧しさを救えるか?という問いを思い起こす。

牛や馬がのんびりと暮らしている牧場に、野ねずみたちの棲家があった。
納屋にもサイロにも近いというのだから、食べ物と寝床に困らない棲家だったんだろう。
でも、おひゃくしょうさんが引っ越してしまったので、何にも無くなってしまった。
野ねずみたちは冬支度を急がねばならない。みんなせっせと食べ物とわらを集めている。
でも、フレデリックだけは、じっとして働こうとしない。みんなが、
「どうして君は働かないの?」と聞くと、
「働いているよ」とフレデリックは答える。
「寒くて暗い冬の日のためにおひさまの光を集めているんだ」と。
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第14回「そっといいことおしえてあげる」 おの りえん 文 垂石眞子 絵 福音館

これは、わたしの癒しの本である。
どうしても逃げることの出来ない現実の問題に切り刻まれるように心身を酷使していた時も、
ものを感じることすら拒絶して自分を守っていた時にも、
明るい励ましが返ってプレッシャーに感じられ人と接するのが億劫になっていたときも、
ふと手にとって眺めていると「そっと」押し付けがましくなく慰めてくれた。ふんわりやさしいひろやかな世界に誘い込んでくれる。

かつて若い頃の私には、七五調のリズムはあまり快いものではなかった。
俳句は短いので、またもともと諧謔的な要素があるのでからっとしていて楽しめたが、短歌や近代詩となると、あのリズムがなにもかも同じ色調に人を染めていくような気がして、それに対して抗いたい気持ちが抑えられなくなるのだった。(現代の短歌はまた別だが。)
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第13回「アンジュール———ある犬の物語」ガブリエル・バンサン 作 ブックローン出版

アンジュール—ある犬の物語

著者/訳者:ガブリエル バンサン

出版社:ブックローン出版( 1986-05-01 )

定価:

Amazon価格:¥ 1,404

大型本 ( 57 ページ )

ISBN-10 : 4892389579

ISBN-13 : 9784892389573


言葉のない絵本である。
ある書店の児童書コーナーで見つけたとき、いかにも私の好みそうな絵本だと思った。「きっと手にとって見るわよ。ほら、欲しいと思ってる」ってだれかに見透かされてるみたいで、わざとこの本を棚に返して、他のコーナーを回ってみたりした。で、やっぱり買ってしまった。連れて帰らないとあとで後悔しそうだったから。

とにかく、絵がうまい。無駄のない、感性のとぎすまされた詩のように、場面が切り取られ、描かれていないすべてを表す。

いきなり、走っている車の窓から、なにか大きなものが放りだされる場面だ。まるでたばこの吸殻を灰皿からばさっと捨てるように。(この棄て方から、犬が家族の一員として愛されてきたのではなく、動く調度品みたいに飼い主のステータスをあらわすために買われていたのだろうと想像している。犬のことはよく知らないが、ペットショップでは高く売られていそうな犬だから。)
着地して態勢を立て直すや否やくるったように追いかける犬。走り去る車の後ろの窓から、犬を捨てただれかが必死で追いかける犬を見ているにちがいない。

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第12回「あさえとちいさいいもうと」 筒井頼子 さく 林 明子 絵 福音館

あさえとちいさいいもうと (こどものとも傑作集)

著者/訳者:筒井 頼子

出版社:福音館書店( 1982-04-20 )

定価:¥ 972

Amazon価格:¥ 864

ハードカバー ( 32 ページ )

ISBN-10 : 4834008746

ISBN-13 : 9784834008746


林 明子さんの描く子どもは、その年令の大きさ、体形、肌のやわらかさや髪のしなやかさなど実にリアルに描かれている。あかちゃんなら大体の月令まで分かるかと思うほどだ。そして何よりも子どものいきいきとした可愛らしさ、おぼつかない仕草が出ている。
表紙は、4才くらいの女の子が、まだあかちゃん気の残る1才半くらいの女の子に靴をはかせてあげているところ。小さいくにゃくにゃした足にちいさい靴をはかせるのは、結構大変だろう。
かいがいしい麻恵とおとなしくはかせてもらっている妹のあやちゃんの様子が微笑ましい。
(さらに…)

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