福本早穂の教育心理カウンセリングオフィス、子どもと家庭の相談室こころのそえぎ 京都市山科

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こころのそえぎ日記(ブログ)

2011年2月18日(金曜日)

感情を育てる・・・家族カウンセリング協会の研修より

家族カウンセリング協会の研修で、「感情を育てる」という言葉に出合った。

「心を育てる」という言葉は馴染みがあるが、「感情を育てる」という事は耳新しい。

子どもを大事に思うから、親は子どもが元気で笑っていてほしいと願う。泣いたりぐずられると不安になる。また社会全体が子どもの泣き声やぐずりに不寛容になっている時代でもある。ここに子育てがますます困難な苦しい仕事になっている要因がある。

あかちゃんは、お腹がすいたり暑かったり不快を感じるとき、泣いて親に訴える。(その泣き方は半端じゃない。全身を使って声のかぎりに泣いている。これが生命エネルギーというものかと畏敬の念すら覚える。)

その訴えに応じて抱きしめてもらうと安心する。不安を感じた時「よしよし、お腹すいたのね」と声をかけられ、だっこしてもらい、空腹を満たしてもらうことで安心する。

不安なときお母さんが来てくれて、いつも抱きしめられて安心するという、その繰り返しによって、赤ちゃんは「基本的信頼感」を育てることができる。赤ちゃんが最初に獲得する感情は「安心感・安全感」であり、それはさまざまな感情が育っていくための大事な基礎になる。

 

 小さい子どもは腹が立つ、悔しい、悲しい、恐れ、不安、などネガティブな感情を言葉にできない。なぜその感情がおきたのか状況を説明できない。子どもが腹が立って興奮してものを投げつけたとき、親は叱るだろう。叱られて子どもが泣けば「泣くんじゃない」とまた叱られる。

そのとき子どもの気持ちを言葉にしてあげると、子どもは自分のなかにわき起こった感情に気づくことができ、その感情を人にわかってもらったことで安心する。「Aちゃんが貸してねって言わないで、君のおもちゃをとったから、腹がたったんだね」と感情と状況を言葉にしてもらうと、自分のきもちをわかってもらえた経験をする。

 

その経験の繰り返しによって、かっとなったときものを投げつけないで「Aちゃんがぼくのおもちゃをとったから腹がたっているんだよ」と言葉で伝えることができる子に育つ。(感情の社会化)

 

怒り、悔しさ、悲しさ、不安、恐れなどネガティブな感情は親に受容、共感されにくい。ネガティブな感情は「ないこと」にされてしまう。

「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」「たいしたことない」と言ったり、お菓子で気をそらしたり・・・。

「ああ、痛かったね」「こわくなったんだね」「悔しいんだね」と身体感覚や感情に共感して抱きしめてもらってから、そのあとでの「だいじょうぶだよ」ならいい。

子どもが転んだとき、「痛くないよね」「だいじょうぶ!」など「ないこと」にしてしまうと、身体感覚や感情を感じる脳の辺縁系(海馬体、扁桃体など)をスル—して、大脳皮質(前頭前野、前部帯状回など)で「痛くない」と判断してしまう。

身体感覚と前頭前野で判断する認知とが一致しないとき、矛盾する情報を処理して環境に適応するためには、情動や痛みを「解離」させなければならない。

ネガティブな感情を「ない」ことにして感じないようにしていると、身体で感じていることと頭で認知していることとの間に「解離」が起こる。軽度な解離(一時的な解離)は子どもに起こりがちなこと。しかし、解離が常態化していると、いつも家でにこにこ明るい元気な子ども(大人が理想とする子どものイメージ)が、学校でのちょっとしたことがきっかけで暴発し、コントロールできないことがある。いわゆる「きれる」状態がこれである。

 

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