福本早穂の教育心理カウンセリングオフィス、子どもと家庭の相談室こころのそえぎ 京都市山科

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絵本の絵

第6回「百万回生きたねこ」 佐野洋子 作・絵 講談社

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この絵本コーナーに、リクエストが来た!いつかは書いてみたいと思っていた佐野洋子さんの作品だが、思っていたより早くチャンスがやってきたのだ。
この絵本は、私がまだ独身で、絵本などあまり買わなかったころ、どういうわけか買っていたものだ。その後、二十数年の間に3人のこどもが生まれ、彼らの成長とともに読み聞かせてきたが、今、人生半ばを過ぎて、また読み返してつくづくと思い至った。「人生永遠の書」というものがあるのなら、これはまさしく「人生永遠の絵本」ではなかろうか、と。
表紙から三様、同じねこが描かれている。3つとも目の色がちがう。それこそ、猫の目のように。 幼児が着ぐるみを着たよう、かわいい姿態に、不釣り合いな厳しい目をしている。8月の原爆記念日や敗戦の特集記事を見ていたせいか、このねこに戦災孤児のすがたが、重なるのだ。何千、何万の死体を見てきた人の、生命への諦観がみえるのだ。それでいて、生きるためには、かっぱらいでも何でもするしたたかさや、人の情けは拒まず利用するしなやかさもみえる。
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第5回グリム童話「ミリー —— 天使に出会った女の子のお話—— 」ヴィルヘルム・グリム/原作 モーリス・センダック/絵 ほるぷ出版

「…1816年、ヴィルヘルム・グリムが、母親を亡くしたミリーという少女に宛てた手紙のあとに、このお話が書かれていました。」とある。その手紙は、小川を流れゆく花の出会い、残照に映える二羽の鳥を描き、人はそんな風に出会うことはできない「けれども、心は何ものにも隔てられることなく、ほかの人の心にまでとどきます。」と真実の思いを愛情深く伝えている。「では、きいて、ミリー」———やさしく心の扉をたたく言葉でこの話は始まる。
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第4回「せんたくかあちゃん」 さとう わきこ 作・絵 福音館

せんたくかあちゃん (こどものとも傑作集)

著者/訳者:さとう わきこ

出版社:福音館書店( 1982-08-31 )

定価:

Amazon価格:¥ 972

単行本 ( 32 ページ )

ISBN-10 : 4834008975

ISBN-13 : 9784834008975


子供たちがまだオムツにおんぶをしていた頃、私は本当に強くなりたかった。丸太のような脚、ビア樽のようなボデイ、ドッジボ−ルのごとき胸に子供を抱いて、ゆっさゆっさと大股に歩幅大きく闊歩するロシア女のように逞しくなりたかった。しかし、現実の私はニの腕に力こぶはおろか筋肉もないような細腕だったし、薄い胸におぶい紐をクロスさせ、両手にあかちゃんの着替えや荷物を持つと、目からお湯が出て来るくらい非力であった。(断じて涙などという感情的なものではない。)
今でも体の前後に赤ちゃんと荷物を縛り付け、ベビ−カ−に幼児を乗せている猛者の(?)「母ちゃん」を見かけると、地にひれ伏したくなるほど尊敬する。そんな「母ちゃん」は、人に子供の躾がどうのといわれようと気にしないで、ワ・ハ・ハ・と笑いとばし、のびのびと子供を育てているのだろう。「せんたくかあちゃん」は、力の弱かった私の憧れの“おっ母さん”である。
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第3回「山になった巨人(白頭山ものがたり)」 リュウ・チェスウ 作・絵 イ・サンクム/松居 直 共訳 福音館

山になった巨人—白頭山ものがたり (世界傑作絵本シリーズ—韓国の絵本)

著者/訳者:リュウ・チェスウ

出版社:福音館書店( 1990-01-31 )

定価:

単行本 ( 56 ページ )

ISBN-10 : 4834010139

ISBN-13 : 9784834010138


この絵本は、とにかく絵の表現力の凄さに目を見張る。全編、交響曲のようにダイナミックで躍動感があり、読んでいる間、私の頭の中にシベリウスの交響詩「フィンランディア」が響いていた。

まず、表紙の絵に揺さぶられる。ぐるぐると渦巻く勢い。求心的ではなく、太陽の光と熱のように中心から放射していく。
地球誕生の場面。原始の星か、ガス状のどろどろした赤と黒の炎だけが見える。やがて
鎮まり、真っ暗闇の向こう、わずかな隙間からみどり色の黎明が見える。この世の始まり。
もう人間が住み始めた。 豊穣の大地からふつふつと泡立つような穏やかな家並みが、 現れる。帆掛け舟を浮かべ、ゆったりと蛇行する川。地から沸き上がった山々が波のよう
にうねっている。

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第2回「12の月たち(スラブ民話)」サムエル マルシャーク 再話 ダイアン スタンレー 絵 松川 真弓 訳 児童図書館・絵本の部屋

12の月たち—スラブみんわ (児童図書館・絵本の部屋)

著者/訳者:サムエル マルシャーク

出版社:評論社( 1986-12-01 )

定価:

Amazon価格:¥ 1,512

大型本 ( 1 ページ )

ISBN-10 : 4566002659

ISBN-13 : 9784566002654


劇「森は生きている」で知っている人もいるにちがいない。
昔、ボヘミアの小さな村に、二人の娘と暮らしている女の人がいた。一人は自分の娘で、かわいがっていたが、もう一人は継娘で、休む間もなく働かされていた。———と、シンデレラや白雪姫でお馴みのパターンである。このパターンには父親が居ないか、居ても存在感が薄い。それだけ女の方が日々の生活に直面していたということだろうか。
冬のさ中、娘の誕生日の前日に、継母は継娘にマツユキソウを摘んで来るように言いつける。もう暗くなりかけており、外は吹雪。しかも三月にならないと松雪草は咲かないのだ。死んでこいと言うに等しい。しかし継娘は出て行くしかない。吹き付ける吹雪の中をやっとのことで森へ辿りついた継娘は、凍えて死ぬことを予感しながらじっとうずくまっている。静かに死に向きあうとき、かなしみもさびしさも通り越しているのかもしれない。音もなく時間も止まってしまった暗闇の中にいるのだろうか。
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第1回「だいくとおにろく」松居 直 再話 赤羽 末吉 画 福音館

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再話とあるから、古くから伝わる昔話なのだろう。
ある村に大きな流れの速い川があり、何度橋を架けても流されてしまう。困り果てた村人たちは、その辺りで一番名高い大工に橋を架けてもらうことにした。
頼まれた大工はよく考えもせず、すぐに引き受けた。
「あなたの腕を見込んで…」とか何とか言われて、頼まれたら否とは言えない、お人好しの性格が見える。

余程自信があるのかと思いきや、彼は不安になってきて、橋を架ける場所へ行ってじっと流れを見つめていると、流れの中から突然『ぶっくりと』鬼が現れる。
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